勤怠管理の方法の多様化

勤怠管理の基本は、勤労者の出勤時刻と退勤時刻の把握にあります。我が国で従来から行われてきた基本的な勤怠管理の方法は勤務簿を中心としたものです。勤労者は出勤時に勤務簿に押印します。通常は終業時刻までは勤務を行うことを前提としており、退勤時には勤務簿には何も記入しません。遅刻した場合や終業時刻以前に退勤する場合は、別途、年休届け等を提出します。残業をした場合は、残業時間等の報告を行います。これに対し、タイムレコーダーを用いる方法があります。タイムレコーダーには出勤、退勤などのボタンがあり、それを押してからタイムカードを挿入します。

タイムカードには個人の勤怠管理に関する時間情報が打刻される仕組みとなっています。タイムレコーダーは、19世紀にアメリカで発明されました。当時のタイムレコーダーは紙テープに時間を刻む方式で、後にタイムカードを用いて、印字する方式が開発されました。日本では、1931年に電気式のタイムレコーダーが開発されました。その後、賃金計算に便利なタイムレコーダーが開発されました。また、時計をデジタル化した電子タイムレコーダー、パソコンにタイムレコーダーを接続して、集計結果を表で示すようなシステム、インターネットを利用したタイムレコーダーなど、多様なタイムレコーダーが開発されました。また、タイムレコーダーと企業の社員証、大学の学生証とを一体化したものもあります。例えば、学生証との一体型は、授業の開始時に出席者の確認に用いられています。近年は、インターネットを通じて、勤怠管理を支援する会社も現れています。そのような会社の利用の一例として、勤怠管理の状況、内容を以下に示します。①支援会社と依頼会社をインターネットで接続します。支援会社のコンピュータには独自に開発した勤怠管理のシステムが構築されています。②出勤時刻と退勤時刻の打刻は各人のパソコンの画面から行うことができます。

このため、各人はタイムカードの行列に並ぶ必要はありません。③インターネット経由で打刻するため、会社のパソコン以外からは打刻できないようにパソコンの個体識別を行い、ログインに制限をかけることが可能です。④近年、勤務の形態は、通常の形態のほか、変形労働制やフレックスタイム制等多様化しています。このような状況に対応して、さまざまな労働形態の管理方式を設定しています。⑤時間単位の年次有給休暇の管理を容易に行うことができます。⑥社員の出勤、外出中等の状況を一覧で見ることができます。⑦長労働時間に対する自動警告機能により、長時間労働を抑制することができます。あらかじめ設定した労働時間ごとに段階的に警告を行うようになっています。